福島に行くならどの季節がいい?天気の傾向とおすすめスポットは?
目次
はじめに
福島県に観光に行くとしたら、なるべくであれば観光しやすい気候、もしくは季節ごとの醍醐味が楽しめるタイミングで行きたいと考えるものです。東北地方の南部に位置する福島県は「東北」という響きから降雪量が多い、冬の寒さが厳しいというイメージを持つ方もいるかもしれません。
ただ実際には福島県の地域によっては、降雪量が少なく意外と温かいという場合もあります。この記事では福島県の天気の傾向と、季節ごとのおすすめスポットについて紹介します。福島県に旅行に行くことを検討中の方は、ぜひこの記事の情報を参考にして旅行計画を立ててみてください。
福島県の天気の傾向とは
この章ではまず、福島県における天気の傾向について簡単に解説しておきます。福島県では海に面する地域と山間の地域でかなり天気の傾向が違う訳ですが、具体的にはどのように違うのでしょうか。
福島県の地形的特徴
福島県には南北に阿武隈山地、奥羽山脈の二つが走っています。そのため県内は浜通り、中通り、会津の三つに分かれることになります。この三地域で天気の傾向がそれぞれ異なるという訳です。
冒頭で福島県は冬でも一部地域だけ比較的温暖な気候であることを前述しましたが、会津の西部は日本有数の豪雪地帯として知られています。そのため会津の阿賀川および只見川流域には、雪解け水による増水を有効活用するべく多くの水力発電所が設置されています。
会津は豪雪地帯であり冬の寒さが厳しいため、その寒暖差が日本酒作りには最適なのです。そのため会津地方には福島県内の蔵元が密集しており、ほとんどの蔵元が会津地方で日本酒作りに取り組んでいると言っても過言ではありません。つまり会津は日本海側に面しているため、上記のような寒暖差の激しい気候になるという訳です。
また浜通りでは太平洋側に面しているため、海風が入りやすいことから一年を通して穏やかな気候になっています。そしてその間に位置する中通りでは、太平洋側に近い気候になっているため比較的穏やかな気候となります。
福島県では南北に山脈が走ることから、その中央部分では盆地が形成されています。福島、郡山、白河、会津若松周辺では盆地気候の特性が表れています。夏は湿度が高い上に暑く、冬は寒さが厳しくなる傾向にあります。
福島県の四季の特徴
福島県では本州南岸を通る低気圧の影響もあり、会津以外の地域では春にもかかわらず水分の多い雪が降ることがあります。そして冬が終わりを告げた後に3〜4月中に気温が10℃以上超えた時点で、福島県内の各所では桜の花が開花し始めます。
毎年の桜開花の動向としては、まず浜通り南部のいわき市から開花し始め、中通り北部の福島や中通り南部の白河、さらに会津若松の順に開花前線が移動していきます。先程も前述した盆地の辺りが先に開花する傾向にあると言えます。盆地辺りの桜の花が開花し始めると、福島県では低気圧と高気圧が頻回通り過ぎていくようになります。
また低気圧の場合であれば低気圧が発達することで強風が吹くため、福島県では3〜4月の間の強風日数(ただし最大風速10メートル以上)が年間で最も多いと言われています。春頃でも気温が低い日だと朝方に霜が降りることも実際にあるそうです。
そして春ももう間も無く終わる5月にもなれば、福島県全域が帯状の高気圧に覆われるようになります。この期間中は晴れ間が続くため、絶好のお出かけ日和という訳です。
本州の南岸に沿いに梅雨前線が停滞するようになると、梅雨の季節の到来です。福島県では梅雨になると東寄りの風(ヤマセ)が吹くようになり、浜通りを中心に気温が下がります。しかしその一方で会津ではその影響が小さいため、温度差がそれほどまでに大きくなることはあまりありません。
梅雨が明けると今度は本格的な夏の暑さが到来します。特に盆地地域では夏の暑さが県内で最も過酷なことになります。それから9月になると秋雨前線の影響により、雨がすぐ降り出しそうなほどどんよりとした天気の日が続きます。また台風の影響次第ではこの秋雨前線が発達し、県内で大雨が降ることもあります。
そして10月末から11月にかけては移動性高気圧に再び覆われるため、秋晴れの日が続きます。この頃になると会津では朝方の冷え込みがひどくなるため、朝霧が見られるようになってきます。
秋の終わり頃では福島県内の各所で初雪が降り、12月の冬至前後からはいわゆる西高東低の気圧配置へと変化していきます。会津では積雪量が多くなり、対する浜通りや中通りの平野では晴れる確率が高くなります。
福島県の冬、特に会津では寒さが厳しいものとなりますが、反していわき市の小名浜周辺では冬にしては割と温かな日が続きます。東北地方の中でもこの小名浜周辺は最も気温の高い地域となるため、降雪量も東北地方の一地域としてはかなり少ないと言えるでしょう。
福島県の季節ごとのおすすめスポットを一部紹介
前章では福島県内の天気の傾向について大まかに紹介しました。それでは次にこの章では、前章の内容を前提として季節ごとのおすすめスポットを順に紹介していきます。
春におすすめの観光スポット
それではさっそく見ていきましょう。まず春におすすめの観光スポットとしては、以下のような場所が挙げられます。
①花見山公園
4月中旬から下旬にかけて見頃を迎える花見山公園では、約70種類の花たちが春には一斉に開花します。花の鮮やかな色と優しい香りに満たされた空間はまるで別世界のようで、さながら桃源郷のようでもあります。お花見スポットとしてもかなり写真映えしてくれるため、さまざまな種類の花たちが咲き乱れる風景は春ならではの美しさです。
②三春滝桜
日本三大桜の一つにも数えられる三春滝桜は、4月中旬にちょうど見頃を迎えます。国の天然記念物としても指定されているこの桜は、エドヒガン系ベニシダレザクラという種類になります。樹齢1,000年以上とも言われるこの桜では桜色の滝を見ることができます。昼間に行って見ても滝桜は十分魅力的ではありますが、ライトアップされた夜桜を見るとまた別の艶やかさに魅せられ惚れ惚れとしてしまいます。
夏におすすめの観光スポット
うだるような暑さのせいで観光する気にもなれない場合でも、夏だからこそ涼しい観光スポットを訪れることで避暑しながら福島旅行を満喫することができます。
①アクアマリンふくしま
避暑地としても使えるアクアマリンふくしまは、何と言っても親潮と黒潮がぶつかる潮目を再現した「潮目の大水槽」が最大の見所です。世界で初めて作られたという三角トンネルを通り抜ければ、間近に迫る海洋生物の迫力を体感することができます。またここでは深海魚の展示やバックヤードツアーなどのお楽しみスポットも充実しており、一日でもゆっくり見てまわることができます。
②スパリゾートハワイアンズ
県内最大規模の温泉レジャー施設であるスパリゾートハワイアンズは、スピード感のあるウォータースライダーや、かなり本格的なフラダンスショーなどを楽しむことができます。常温27℃で保たれている屋内で、プール遊びをしたり温泉にゆったりと浸かれば、夏の暑さもすっかり忘れて思う存分満喫できるでしょう。大人も子供もそれぞれの楽しみ方ができる観光スポットです。
秋におすすめの観光スポット
自然豊かな福島県では、実りの秋限定で楽しめるおすすめの観光スポットも盛りだくさんです。
①五色沼湖沼群
秋といえば紅葉狩りで季節の彩りを楽しむのも乙なものですが、自然の色鮮やかな風景を楽しみたいなら五色沼湖沼群がおすすめです。沼によってエメラルドグリーンやターコイズブルーなどと色が違うため、別名「神秘の湖沼」と呼ばれることもあるほどです。一番大きい毘沙門沼では手漕ぎボートも楽しめるので、船の上から沼と紅葉のコントラストを眺めれば陸地から見るのとはひと味違った美しさが味わえます。
②新宮熊野神社
新宮熊野神社には樹齢800年の大銀杏の木があり、秋になると神社の敷地内に黄色の絨毯が敷き詰められます。また拝殿の長床から見える景色は神秘的で、まるで時が止まったような世界で銀杏の柔らかな色合いがよりいっそう際立ちます。
冬におすすめの観光スポット
福島県では小名浜周辺は比較的温暖だと前述しましたが、せっかく冬に観光するのなら雪景色は楽しんでおきたいものです。
①大内宿
江戸時代には宿場町として栄えた大内宿は、茅葺き屋根の建物がずらりと並ぶ観光スポットです。道路に対してきっちり直角に並んだ建物は整然としており、昭和56年には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。大内宿のある地域は積雪量も多いため、冬になると整列した茅葺き屋根や灯籠が雪化粧をして出迎えてくれます。
また2月の第2土曜日と日曜日には、時代仮装行列などが見られる大内宿雪まつりが開催されます。雪に覆われた宿場町は江戸時代にタイムスリップしたような感覚を味わえるので、情緒的な風景を楽しみたい方にぴったりです。
②光のしずくイルミネーション
冬になると全国各地でイルミネーションが見られますが、福島県内であれば光のしずくイルミネーションがおすすめです。約20万個のLED電球を使って作り上げられるイルミネーションは、11月中旬から翌年の1月31日まで楽しむことができます。パセオ通りでは12月7日から点灯されるため少し遅いものの、同日には点灯式が開催されます。
点灯式ではコンサートなどのイベントを楽しめるため、雪景色の中でイルミネーションと音楽が融合すればとてもロマンチックな雰囲気を感じられます。
まとめ
今回は福島県内の季節ごとのおすすめスポットを二つずつ紹介しましたが、もちろんこの他にも季節ごとの見所はたくさんあります。観光旅行で福島県に立ち寄る場合はなるべく天気の良い期間中が狙い目ですが、屋内施設で楽しむのなら天気を気にせず満喫することも可能です。
季節ごとに四季折々の風景や醍醐味が変化する福島県では各種グルメも豊富なので、この機会に一度旅行に来て「うつくしま」と呼ばれる所以を味わってみてはいかがでしょうか。