長年継ぎ足したタレが美味い!カネキ商店のみりん干しとは
目次
はじめに
新鮮な魚介類の獲れる沿岸部では、新鮮な状態で食べるのはもちろん、保存食として活用することもしばしばあります。保存食の一つとして知られるみりん干しは一見すると地味に見えますが、その身を一口噛みしめるとぎゅっと凝縮された素材の旨味と、後からみりんの柔らかな甘味が口いっぱいに広がります。
冷蔵庫のない時代にも魚を長期保存できる先人の知恵でもありますが、そんなみりん干しにこだわり長年作り続けている会社があります。それが今回紹介するカネキ商店です。この記事ではカネキ商店が作るみりん干しの魅力や、家庭で作れる自家製みりん干しのレシピを併せて紹介します。
和食は日頃あまり食べないという方でもカネキ商店のみりん干しを食べてみると、案外やみつきになるかもしれません。どうぞ最後まで一読してみてください。
カネキ商店とはどんな会社か
カネキ商店が作るみりん干しについて紹介する前に、この章ではまずカネキ商店がどんな会社であるのかについて簡単に触れておきます。
福島県いわき市の小名浜にある「合資会社カネキ商店」は、みりんを使わないみりん干しをメインに製造および販売しています。みりん干しなのにみりんを使わないなんて不思議なことを言っている感覚はありますが、カネキ商店のみりん干しの秘密については後ほど詳しく解説します。
昭和25年に設立したカネキ商店は、創業してから一途にみりん干しを作り続けた甲斐もあり、実はいくつかの受賞歴を持っています。ここでカネキ商店の受賞歴を以下に抜粋しておきましょう。
- 平成7年9月 福島県観光みやげコンクールで福島県知事賞受賞
- 平成16年3月 いわき市観光物産協会より観光みやげ品として優秀推奨
- 平成28年11月 「味丸さんまみりん干し 真空袋1枚入」と「味丸さんまピリ辛みりん干し 真空袋1枚入」が、「平成28 年度いわきふるさと産品推奨品」として認定される
この他にも平成19年には月刊「財界」の取材を受けていたり、平成21年には福島のローカル番組で「味丸」が紹介されました。こうした情報だけでも、カネキ商店のみりん干しがどれほど美味しいものであるかが想像できるかと思います。
カネキ商店のみりん干し「味丸」とは
カネキ商店がどういった会社であるかを簡単に紹介したところで、この章ではそんなカネキ商店が手がけるみりん干し「味丸」について解説していきます。
福島県の中でも漁港のあるいわき市小名浜では、新鮮な魚介類を使ったさまざまな郷土料理が食べられます。特に小名浜ではさんまの水揚げ量が多いことから、さんまのみりん干しは地元の人々にとって欠かせない保存食として長年にわたり食べられ続けてきた経緯があります。
カネキ商店ではそんな小名浜の漁港で水揚げされた新鮮なさんまを使い、「味丸さんま極旨干し」という名のみりん干しを創業当初から作り続けています。創業の昭和25年以来継ぎ足し続けている秘伝のタレにさんまの開きを一枚ずつ漬け込み、時間をかけてじっくり干していくのです。
この味丸に使われている秘伝のタレはその都度タレを煮直しながら不純物を取り除き、塩や砂糖(洗双糖)を加えて味が均一になるよう微調整しています。
※洗双糖:サトウキビから圧搾した糖分を多く含んだ汁に石灰乳を加えてよく加熱し、濃縮した上でさらに遠心分離機にかけて取れる砂糖の結晶のこと。ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。
また実際にカネキ商店のホームページで味丸を見てみると、普通のみりん干しに比べてどうも色が濃いように感じられます。例えばカラメルのような色合いと表現すればいいのでしょうか。
この色合いにも実は秘密があり、さんまを漬け込むタレの中で「メイラード反応」という化学反応が起こっていることに起因します。このメイラード反応が起こることにより、さんまのアミノ化合物と砂糖の糖分が反応して、タレの色合いがどんどん褐色になっていくという訳です。合成着色料などは一切使っておらず、天然成分のみでこの色合いになっているのです。
このメイラード反応により出来た成分については、体内の酸化反応を抑えてくれる働きを担ってくれると言います。美味しいものを食べて健康になれると言うのなら、これほど嬉しいことはありません。このメイラード反応でタレが濃い褐色になることで、味丸では通常のみりん干しで塗るツヤ出しのデンプン液も必要ありません。天然の色合いだけでカラメル色に輝いているという訳です。
味丸の美味しい食べ方とは
タレを長年継ぎ足しながら使用しているため、みりんを使わなくても甘味を強く感じられるみりん干しが完成しています。ただみりん干しを一度でも食べたことのある方であれば分かると思いますが、調味済みのみりん干しでは焼く際に非常に焦げやすく、少し目を離したスキに焼けすぎてしまうこともままあります。
この章では美味しい味丸を食べるための、焦がさない焼き方についていくつか紹介しておきましょう。
①フライパンで焼く
フライパンでみりん干しを焼く場合には、フライパンに油を引かずにそのままの状態であらかじめ熱しておきます。そして熱したフライパンにクッキングシートを敷き、その上にみりん干しの皮目を下にして乗せます。弱火か中火くらいの火加減で5〜7分焼き、表面に照りが出てきたら裏返します。そして身の方は炙る程度で構わないので、自分の好きな加減になるまで軽く火を通したら完成です。
②オーブントースターで焼く
魚を焼いた後の洗い物が面倒という方では、オーブントースターとアルミホイルを使うことで洗い物を出さずにみりん干しを焼くことができます。アルミホイルを二つ折りにして間にみりん干しを挟んだら、端をしっかりと閉じ合わせておきます。そのままの状態でオーブントースターに入れ、7〜8分程度焼きます。その後中の様子を目で確認し、まだ焼きが足りないようであれば徐々に焼き時間を延長していくといいです。
③オーブンレンジで焼く
自宅にオーブンレンジがある場合であれば、その機能に合わせて焼き方を変えます。例えばオーブン機能がついていれば、皮目を下にしたみりん干しをクッキングシートに乗せ、160℃で10〜12分焼きます。またトーストグリル機能がある場合では、広げたアルミホイルに同じく皮目を下にしたみりん干しを乗せて8〜10分焼きます。どちらもシートの上に乗せているだけなので、表面の状態を見て焼きが甘かったら追加で少しずつ焼き時間を足してください。
④魚焼きグリルで焼く
魚を焼く際に多くの方が魚焼きグリルを使用しているかと思います。魚焼きグリルの場合では、上火のみの片面焼きでは身を上に向けて弱火で4〜5分、照りが出てきた段階で裏返して30秒皮目を炙るように焼きます。また両面焼きが可能な場合であれば、身を上にして弱火で7分程度焼きます。
みりん干しでは火加減を間違えるとすぐ焦げついてしまうため、焼く際には必ず弱火か中火にするよう注意してください。火加減さえしっかり注意して焼けば、ふっくらと美味しい焼きたてのみりん干しを家庭でも簡単に食べることができます。
自宅で作れるみりん干しのレシピとは
ここまでカネキ商店が作る味丸について紹介してきましたが、実はみりん干し自体は自宅でも手軽に作ることができます。この章では最後に、自宅で作れるみりん干しのレシピについて紹介しておきましょう。
みりん干しを作る季節として最適なのが、寒さが厳しくなってくる冬の中頃以降です。冬に天日干しにした自家製の干物は旨味が凝縮され、魚の美味しさを存分に堪能することができます。今回はカネキ商店のさんまのみりん干しについて紹介してきたため、自宅でさんまのみりん干しを作る想定でレシピを紹介しておきます。
- さんま 4尾
- 水2カップ(a)
- 塩 小さじ2(a)
- しょう油 大さじ3(b)
- みりん 大さじ2(b)
- 料理酒 大さじ2(b)
- 砂糖 小さじ2(b)
①まずさんまの内臓を取り出し、背開きにして骨をとっておきます。深さのあるバットに(a)を入れたら、そこにさんまを漬けて10分程度放置します。この工程でさんまの臭みをとります。
②そして乾いた小鍋に(b)を全て入れ一煮立ちさせたら、いったん粗熱をとるため容器に出して冷ましておきます。
③①で漬けておいたさんまの水気をキッチンペーパーで拭き取り、ジップロックの中に重ならないように並べて入れます。
④その中に②で作った調味液を全て入れてしっかりと密封し、そのまま冷蔵庫で2〜3時間寝かします。
⑤④で調味液に漬けておいたさんまの余分な液をキッチンペーパーで拭き取ったら、ざるに並べてから干し網の中に入れておきます。この干し網を陽の当たらない場所に吊るし、3〜4時間陰干ししておきます。
⑥さんまの水分がしっかりと飛び乾燥したら、みりん干しの完成です。
調味液の割合については一度作って味見してみて、自分の好みの味に微調整してもいいでしょう。またさんま以外の魚をみりん干しにする場合にはその魚の大きさや枚数に合わせて、調味液の量を増やせばどの魚でも美味しいみりん干しが出来上がります。
まとめ
昔ながらの保存食の一つでもあるみりん干しは身が固いという印象の方も多いでしょうが、カネキ商店が作る味丸は身がふっくらと柔らかく、みりんが入っていないのにしっかりと甘味を感じることができます。また焼き方さえ注意すれば身が固く縮んでしまうこともないため、自宅でも美味しいみりん干しを食べることができます。
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