福島県民らしさを生み出す方言の数々をご紹介
目次
福島県は昔から親しみが持てる”方言”が数多くあります。
また、イントネーションも多少の崩れ具合を感じられるので非常に他県民からは印象的に聞こえるようです。
しかし、この独特の雰囲気やニュアンスは田舎特有の愛らしさに感じられるというメリットもあります。
今回の記事では福島県の方言とイントネーションについてまとめていきます。
ぜひ、福島の愛着ある言葉の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
方言となまりの違い
方言となまりの違いを知ることでより理解が深くなるので一度復習をしましょう。
方言は共通語に対して、ある特定の地域だけで使用される言葉を指します。
なまりは標準語に比べて、地域特有の発音を指します。
例えば全国的に「大丈夫!」という言葉も福島県の方言だと「さすけね」になります。
同じ意味ですが言葉が変化している、これが方言です。
北海道の「なまら(非常に)」や沖縄の「めんそーれ(いらっしゃい)」も方言ということになります。
その地域ごとにオリジナルの言葉に置き換わったイメージです。
一方なまりは標準語と異なるアクセントやイントネーション、発声法などのこと。
ニュース番組などの語尾が下がって終わるのと比べ、福島県は語尾上がりのイントネーションが特徴的です。
アクセントは東北地方南部〜関東地方北東部に共通な無アクセントとされています。
例としては「橋」と「箸」の発音の使い分けがありません。
そのため、県外の人に説明されても使いこなせなかったり、使う本人もアクセントの違いでどちらがどちらであるか理解出来ないことがあります。
そんな福島県は東北で一番関東圏に近いこともあり、標準語と東北なまりが入り乱れる「イントネーション・アクセント崩壊地域」とも呼ばれています。
だからこそ、この独特の言葉のニュアンスが福島弁、福島なまりの愛着に繋がる所以と言えるのではないでしょうか。
参考記事:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%BC%81
東北特有の「ずうずう弁」
福島県を含む東北地方は昔から気温が低いために、寒くなるのを無意識に避けるようにあまり口を開けずに会話をする傾向にありました。
ここから会話の多くに濁点がついている世にいう”ずうずう弁”になったと言われています。
例えば「よく寝た!」は「よぐ寝だ!」と濁音が付きます。
若者も理解できる方言
福島県には数多くの方言が存在していますが、地域や世代によって使われ方は様々。
ここでは若者にでも理解できる、比較的認知度の高い福島方言の一部をご紹介します。
『〇〇だべ』、『〇〇だっぺ』
語尾に「べ」「だべ」「だっぺ」がつくのも福島らしさがある方言です。
他にも「だべした」も使われており、これらは相手に同意を求める際に用いられます。
「これ美味しい」という会話の返答として「そうでしょ?」という際に「んだべ?」という感じで使われます。
また「どうやるんだっけ?」という返答には「こうだべした」とも用いられます。
会話の様々な箇所で「べ」が聞けるのは比較的年配の方に多い傾向がありますが、若い世代の女性にも聞かれるケースがあります。
『~けろ』
主に「〇〇してけろ!」(〇〇してほしい!してください!)という際に用いられます。
語尾がけろけろになるので可愛らしいと若い世代でもたまに使われる方言です。
『だから』
『だから』は比較的若者言葉としての新しい方言にあたる可能性が高いです。
一般的には接続詞の『だから』は、福島では同意の際にも使われます。
例①
A「これ、すごい面白くない?」
B「だから!」
例②
A「疲れたー」
B「だから。」
普通だと”だから”の後に何か単語が続きますが『だから』で完結します。
福島県よりも先に宮城県でも聞かれた方言で、徐々に福島まで浸透してきたのかもしれません。
その他の方言
方言はその土地の歴史や文化に触れることのできる最も手軽なものの一つです。
福島県には無数に方言があり全てを掲載しきれませんが、比較的広い世代で使われる方言の一部をご紹介します。
■あんべわりー
病気。具合が悪い。調子が悪いことを意味します。
あんべわりーがら、ちょっと休まして!(具合が悪いので、ちょっと休ませて!)と使います。
人間の体調だけではなく、機械や何かモノが調子悪い時にも使われます。
■うるかす(うるがす)
水に浸けることを意味します。
食後の食器類を水を入れたボウルに入れる際に「うるかしておいてー」と使います。
■がおる
病気で衰える。ぐったりする様子。
「風邪でがおってた。」と使われます。
■さすけね
大丈夫。気にしなくてよいの意味。
「さすけねーよ!(だいじょうぶだよ)」などと使われます。
■ねっぱす
はる。のり付けすること。
封筒に切手をねっぱす、テープでねっぱしておくなどと使われます。
■耳つんぽ
耳が聞こえないことを意味します。
人の話を聞いていない状態を指摘するセリフとしても用いられています。
■~すっぺ
「〇〇しよう!」と誘いの際に使われます。
返答にもすっぺが使われます。
A「野球すっぺ!」
B「おう!すっぺすっぺ!」
■はらくっち
お腹が一杯という状態を表す方言です。
「あー腹くっちぃー(あーお腹いっぱいー)」と使われます。
■なげる
ただ投げるのではなく、ごみとして捨てるを意味します。
「そごのおっこってるの外になげといて!」
おっこってるは落っこちているの方言なので「そこに落っこちているものを外に捨てておいて!」という意味になります。
■めんけぇ(めんげぇ)
かわいいを意味する方言です。
「この赤ちゃんめんけぇな~い」(この赤ちゃんかわいいねー)のような会話で使われます。
~ないという「だねぇ」という方言とセットで使われる頻度が高いです。
高齢の方が使う傾向にあります。
■たまげた
びっくりした、驚いたの意味です。
「うわ、たまげたない!」と一般的に使われる方言です。
■うっつぁしい(うっちゃしい)
うるさいという意味の方言です。
「おめはいっづもいっづもうっつぁしいない!」の場合は「お前はいつもいつもうるさいな!」という意味合いになります。
人間以外の騒音に対しても使われます。
参考記事:https://travel-noted.jp/posts/15260
参考記事:https://dictionary.goo.ne.jp/srch/dialect/%E7%A6%8F%E5%B3%B6/m9p1u/
参考記事:https://kenny-dfd.com/mamechisiki/10406/
福島の方言を学べるラインスタンプ
現在の福島の主流の方言を学ぶにはラインスタンプもおすすめ。
購入をしなくても販売ページでは一覧で表示されているので、かわいらしいイラストと一緒に覚えることが可能です。
また、福島県民へのちょっとしたプレゼントとしても喜ばれること間違いなしです。
福島県に関する全ラインスタンプ:http://www.line-tatsujin.com/list/p_fukushima/popular_1.html
毎日つかえる!福島弁
販売ページ:https://store.line.me/stickershop/product/1012881/ja
方言例
- どうもない
- えがったない
- さすけねぇ!
- なじょした?
- ほだげんじょも
- ほだこどねぇ
福島弁じい
販売ページ:https://store.line.me/stickershop/product/1224699/ja
方言例
- おばんです!
- わりげっちょ
- おつかれない
- わがった
- めんこいなぁ
- またこらんしょ
会津弁うさんこ(福島)
販売ページ:https://store.line.me/stickershop/product/1033212/ja
方言例
- くれっから
- あそぶべ!
- くたびっちゃ
- やかまし!
- たまげた
- おこらっちゃ
つかえる福島弁
販売ページ:https://store.line.me/stickershop/product/1349555/ja
方言例
- だからぁー
- だから、、、、
- ちぃーっとだけ
- がおる!
- 行くべ行くべー!
- おっかねー
方言を名前にした施設「コラッセふくしま」
福島県には方言をモチーフとして名付けられた施設もあります。
福島駅西口にある複合施設として利用されている「コラッセふくしま」です。
こらっせは「どうぞ、こちらにお出でください」という意味の福島の方言。
カタカナ表記にすることで方言とは感じさせない語感に早変わりし、今風のニュアンスを与えてくれます。
コラッセふくしまHP:http://www.corasse.com/
<h2>方言・なまりは地域の絆を高める重要な要素</h2>
現在も方言が消滅しない理由には「地域の絆を深めるツール」としての役割を含んでいるからと推測します。
地元に帰ってきた時の会話のイントネーションによる安心感、懐かしさ。
離れた地で共通の方言で親近感が生まれる感覚。
これらは方言を一つのコミュニケーションツールとしての意味合いがある証拠と言えます。
反対に地元の人間ではないとしても、各地の方言を知ることで円滑な関係を築くことも可能と言えるのではないでしょうか?
「標準語を話せないから・・・」と疎遠する気持ちが生まれますが、方言のメリットを意識することも重要なのかもしれません。
福島県民の人柄を表す方言
今回は福島県の方言についてご紹介してきました。
語尾上がりになるものや、「べ」の濁点、「ペ」の半濁点など、会話を愛着ある雰囲気に変えてくれる独特の言葉。
福島県民の親しみやすく、暖かい気持ちを言葉で表現するには必要不可欠な方言の魅力はやはり現地で最も強く感じられるはずです。
福島のおいしい食文化と共に、ぜひ方言文化も体感してみてください。