福島がもっと発展するために。
地元の を応援するメディア。

2020.01.08

【謎の女子人気!?】土湯こけしの人気の秘密とは!?

よかっぺボタンを押して
このチャレンジを応援!

1よかっぺ

古くから子供のおもちゃとして有名なこけし。素朴なつくりとどこかやさしい表情は、見る人の心に安らぎを与えてくれます。国内外問わず和風インテリアとしても人気で、飾っている家庭も多いのではないでしょうか。

そんなこけしのルーツが、福島県の土湯温泉にあるということを、皆さんご存知でしょうか。実はこけしと福島県には、深いつながりがあったのです。

そもそも、こけしってなに?

元々こけしとは、東北地方において、土産物として売っていたのがルーツだといわれています。主に湯治に来た客に民芸品として売られたものが全国に広まり、江戸末期から明治の末期まで、女児用のおもちゃとして親しまれていたようです。

そんなこけしは、実は大正時代に入るころには絶滅の危機にありました。新しい玩具がどんどん作られて、子供たちが遊ばなくなっていったためです。職人たちも転業や休業が相次ぎ、こけし業界は壊滅の危機にあったとか。

そんな状況を防ぐべく立ち上がったのが、こけし愛好家たち。この頃から熱心なこけし好きがいたんですね。子供のおもちゃではありましたが、大人の心をつかむ魅力もあったこけしは、やがて大人の鑑賞物へと扱われるようになっていき、美術品や民芸品として再評価され始めました。

また、大都市を中心に集まり始めたこけし愛好家たちにより、こけしには再び需要が生まれます。買ってくれる人ができたことで、こけしがどんどん作られるようになっていき、離れていった職人たちも戻り始め、1928年ごろには第一次こけしブームが始まります。そのころには、天江富弥の『こけし這子(ほうこ)のはなし』が出版されるなど、世間から高い評価を受けるようになりました。

 その後日本は、第二次世界大戦を経て、高度経済成長期に入ります。この頃には日本中にアクセスできるようになったことから、旅行客がどんどん増えていきました。そうなると、もともと東北の民芸品だったこけしは、江戸時代と同じく東北の旅行客のお土産として、日本中の人の元へ。これが第二次こけしブームというそうです。

そして、女性に人気が高まった2010年代。キャラクターをモチーフにしたこけしや、伝統だけではなくかわいらしさやインテリア性を重視した現代こけしなど、こけしは時代に合わせて進化しています。その一方で、こけしをこよなく愛するこけし好きの女性、通称こけ女なども登場しはじめました。現在ではこけし専門の雑誌も発刊されており、実はこけし業界は今、とても熱いのです。

土湯温泉とこけしの密接な関係

土湯温泉は、こけしの三大発祥地の1つと言われています。それもそのはず、土湯温泉は古来から続く有名な観光地で、古くから湯治客にこけしを売っていたのです。

 それを示すように、土屋温泉では町中にたくさんのこけしたちが立っていて、いたるところで旅行者を出迎えてくれます。中には全長3メートルもある巨大こけしも。こけしの伝統を大切にする町の心が、全体に表れています。

 地方によって、こけしはつくりや模様が違います。

土湯こけしにも特徴があり、

  • 頭が小さく、頭頂部に蛇の目模様が描き込まれている
  • 大ぶりな前髪と赤い髪飾りが印象的
  • くじら目(半月型の目)、たれ鼻、おちょぼ口
  • 胴には繊細な横じま模様

 などが有名です。

 特に見事なのが、胴体に描かれる横じま模様。ろくろを用いて描かれるのですが、その洗練された筆遣いと胴体に表れてくる模様は、まさに芸術です。土湯では、この胴体への絵付けを体験することもできます。自分だけのこけし作りは、考えただけでもわくわくしますね。

こけし好き必見 こけし祭り

 そんなこけしの町である土湯温泉では、毎年4月にこけし祭りが行われます。

 名前だけでもこけし好きやこけ女の方にはたまらないこの祭り、実は東北地方の様々な街でも開催されています。しかしその中でも、土湯温泉は毎年、他の祭りに先んじて行われるのです。こけしマニアの間では、土湯温泉のこけし祭りがこけしシーズンの始まりであるといわれるほど。そんな土湯温泉のこけし祭りは、平成31年でなんと開催44回目。こけしが長く愛され続けていることがよくわかります。

 土屋温泉こけし祭りでは、こけし供養をはじめ様々なイベントが行われます。

招待工人によるこけし販売

 祭りに招待された様々な系統の工人たちが、自作のこけしを販売します。土湯系統のこけしだけではなく、鳴子系、作並系、弥次郎系など、豊富な種類のこけしたちを見比べられます。お気に入りの子と運命の出会いが待っているかもしれません。

土湯こけし絵付けコンテスト

上でも紹介した、土湯こけしに自分で色を付けられる、こけしの絵付け体験。こけし祭りでは、そんな絵付けのセンスを競う、絵付けコンテストが開催されます。絵付け体験で作られたこけしたちが審査され、優秀作品に選ばれれば記念品が贈られます。世界に一つだけの自分のこけしを作ると同時に、こけしに対するセンスを競ってみるのも面白いですね。あなたのこけしセンスはどれくらいでしょうか。

 また、こけし祭りでは、特別に足ろくろを使った絵付けも可能。参加人数に限りがありますが、職人の手法と同じやり方で絵付けをすることができます。ろくろで回るこけしに筆を滑らせ絵を付けていく絵付け体験は、お祭りだからこそできること。ぜひ体験しておきたいイベントです。

こけし供養

こけし祭りで行われるイベントで、こけし好きたちの目玉となるのが、こけし供養です。

 こけし供養とは、その名の通りこけしを供養すること。理由あって手放すことになったこけし、壊れてしまったこけしたちに感謝を込めて別れを告げるのです。供養が終わったこけしたちは、状態が悪いものはお焚き上げをします。一方問題がない場合には、なんと展示やモニュメントとして、土湯温泉の街中で利用されることも。

 こけし供養の場所も実に相応しく、「薬師こけし堂」というお堂で供養が行われます。このお堂には2体の仏様、温泉の守護仏・薬師瑠璃光如来と、こけし工人の祖・惟高親王が祀られています。こけし工人の技術の鍛練と精神的な統合の象徴として建立され、土湯温泉の工人やこけしたちを見守っているのです。こけしの供養と再生を行うにうってつけの場所ですね。

 出会いもあれば別れもある。大切にしてきたこけし、どうせ手放すならむやみに捨てるのではなく、大切に供養してもらいたいものです。たとえ手放すことになっても、もしかしたら土湯温泉の街角で、再び巡り合えるかもしれないこけし供養。こけしを手放す予定のある方は、ぜひ検討してみてください。

 ただしこのこけし供養、供養するこけしと代金となる500円分の切手を、土屋温泉観光協会に事前に送付しなければなりません。当日では受け付けてもらえないので、供養したいこけしがある方は早めに準備しておきましょう。

かわいくておいしい! こけしプリン

土湯温泉に来たら絶対に食べてほしいのが、こけしプリン本舗の『こけしプリン』。瓶の封緘紙に書かれたかわいらしいこけしがトレードマークの、土湯温泉が誇る新名物です。

 2017年に始まったこけしプリンは、社長の佐久間智啓がプロデュースした商品。佐久間さんは、なんと地元の老舗旅館・向瀧旅館の若旦那でもあります。

温泉饅頭やおせんべいに代わる、温泉街だからこそ作ることができて、子供から年寄りまで、みんなが好きなものは何か。そう考え続けてたどり着いたのが、このこけしプリン。

原材料はこだわりの福島県産で、使うたまごは福島を代表する「川俣シャモ」、牛乳には郡山を拠点にオリジナル商品を展開する、酪王乳業の牛乳を用いています。味は福島産のハチミツを用いたやさしい甘さで、まさにメイドイン福島。こだわりの強さがうかがえます。

こけしプリンの販売店・こけしプリン本舗は、土湯観光協会の近くにある、トレードマークのこけしが目印の人気店。店内にはこけしたちが並び、観光客をお出迎えしてくれます。

販売されているこけしプリンには二種類あり、冷蔵されている冷たいプリンと、せいろで蒸した温かいプリンが揃っています。温泉街だからこそのおいしい食べ方ですね。

店頭でせいろを使って蒸し上げる様子は、見るだけでも風情を感じさせ、プリンのやさしい香りに食欲も刺激されてしまいます。

こけし以外にもたっぷり!見どころ紹介

こけしと温泉の町、土湯温泉には、他にも多くの名所があり、旅行客を楽しませてくれます。

特筆すべきは、美しい自然の景色。土湯温泉では、森や滝、ビオパークやサファリパークまで、自然を体験できる施設がたっぷりあります。

滝のつり橋

瀑布の上にかかるつり橋からは、土湯温泉の雄大な自然と涼しい川風を楽しむことができます。つり橋へ至る階段の道中では、足湯「土ゆっこ」も。自然の爽やかな空気に包まれながら、ゆったりとした時間が楽しめます。

照南湖ビオパーク

かつてスケート場だった湖を利用して作られたビオパークです。500本近くもある睡蓮が育てられており、開花時期の6月中旬~9月上旬頃に色とりどりに咲き誇る様は、まるでモネの絵画のよう。夏の日、澄んだ空を背景に、美しく咲く睡蓮と、のびやかに飛び交うトンボたちは、まさに絶景です。多くのカメラマンも訪れる観光地に、ぜひ足を運んでみてください。

野生の王国 東北サファリパーク

土屋温泉から十数キロ離れた場所にある、東北のサファリパーク。園内では、ホワイトライオン、白大蛇に、白わに、白キツネ、白たぬき……と白い珍獣たちが勢ぞろい。ここでしか見られない白い景色は必見です。

湯伝承館

忘れちゃいけないこけしの殿堂。歩き疲れた時には、こけしに囲まれて一休みできます。こけし工房も併設されており、工人さんの作業風景が見られることも。

疲れた時にはこけしと癒しを

吾妻連峰に囲まれた、風光明媚な土湯温泉郷。今も昔も、その眺めと温泉を楽しみにやってきた観光客たちが、美しく作られたこけしに目を奪われ、お土産に買っていく。そんな、歴史と自然に溢れた温泉地です。

 みなさんも、もし心や体が疲れたときは、温泉や自然、そしてなによりこけしに触れて、ぜひ癒されてください。

よかっぺボタンを押して
このチャレンジを応援!

1よかっぺ
SHARE
top