福島の外食ローカルチェーン店3選!あのお店のルーツは福島だった?
目次
はじめに
福島県のローカルチェーン店と聞いて思い浮かべるお店はありますか?
生活に深く根付いている地元のお店だと、そのお店がチェーン店だということを忘れている場合もあるのではないでしょうか。
福島県は山脈をさかいに、会津地方・中通り・浜通りと分かれている上に、広大な面積を誇ることから、県内でのチェーン展開が難しいと言われることもあるようです。
今回は、飲食に限定して福島県のご当地ローカルチェーン店をご紹介します。
みなさんが知っているあの全国チェーン店も実は福島発祥なんですよ!
中華そば幸楽苑
昔懐かしい中華そばを看板メニューとしている幸楽苑!
幸楽苑といえば、大手ラーメンチェーン店のひとつとして全国的に有名ですよね。
幸楽苑を経営するのは、株式会社幸楽苑ホールディングス。
同社は、1970年に設立され、1997年に外食産業として東北で初めて株式を店頭公開しました。2002年には東証2部上場。これも外食産業として東北初のことで、当時大変注目を集めました。
さらに2003年には、ラーメン業界初(!)となる東証1部上場を果たしています。
その後、20012年には500店舗を達成し、さらに海外第1号店として、タイ王国バンコクにも出店するなど、日本だけでなく海外にも進出を決めています。
今年2019年には創業65周年を迎え、メモリアルイヤーとしての記念企画や記念メニューなどが続々と発表されているようです。
幸楽苑は、リーズナブルな価格に、豊富なメニュー。おひとりでも気軽に入れるようカウンター席がある他、お子様向けメニューやテーブル席が多く配置されていることからファミリー層の人気も厚いですよね!
そんな有名ラーメンチェーン店の幸楽苑ですが、その本社は福島県郡山市であることをご存知でしょうか。
幸楽苑のはじまり
幸楽苑のスタートとなったのは、1954年のこと。福島県会津若松市に、幸楽苑の原点である「味よし食堂」を開店します。
創業者は新井田司氏で、当時55歳。東北電力に勤務していた司氏の退職金を投じて、「味よし食堂」が創られました。
その後、司氏の息子である傳氏が家業を継ぐこと決心し、郡山市の中華料理店で修行、東京の中華料理店幸楽飯店(コウラクハンテン)での修行のほか、服部栄養専門学校に通うなどして実力を磨きます。
2年後地元に戻った傳氏は、「味よし食堂」に次ぐ「華宮飯店」を開店。
さらには「味よし食堂」を「幸楽苑」と改称します。
これが幸楽苑のはじまりです。
地元での愛称は「ずっぽ」
地元福島では、幸楽苑のことを愛称として「ずっぽ」と呼んでいるのをよく耳にします。
かつて、福島県内と一部地域では「幸楽苑」の他に「会津っぽ」という名称で展開されており、2通りの名称がどちらも混在していました。
その「会津っぽ」から省略され「ずっぽ」と呼ばれるようになり、現在もなお、地元では「幸楽苑=ずっぽ」と呼ばれることがあります。
のちに「会津っぽ」も「幸楽苑」に統一され、現在は全店舗で「幸楽苑」の名称となり、「会津っぽ」は残念ながら残っていません。
イチオシメニュー
- 中華そばクラシック 340円
- 中華そば食べ比べセット 750円
- 中華そばプレミアム 740円
- ごま味噌チャーシュー麺 640円
- 激辛ごま味噌チャーシュー麺 640円
▼中華そば幸楽苑
公式HP:https://www.kourakuen.co.jp/
県内店舗:福島県60店
県外店舗:449店舗(青森10、秋田15、岩手10、宮城40、山形14、東京34、神奈川44、埼玉51、千葉53、茨城44、栃木24、群馬17、山梨9、新潟20、長野11、愛知19、岐阜5、静岡18、三重4、大阪3、兵庫4)
(2019年9月現在)
喜多方ラーメン坂内
喜多方ラーメン坂内(ばんない)は、福島県の蔵のまち喜多方の「喜多方ラーメン」をメニューに持つ、全国チェーン店です。
先ほどご紹介した幸楽苑も福島県会津発祥のラーメン店ではありますが、幸楽苑は「喜多方ラーメン」とは謳っていませんね。しかし坂内では店名にしっかりと喜多方ラーメンの文字が入っています。
喜多方ラーメン坂内を運営するのは株式会社麺食(めんしょく)です。本社は東京都大田区ですが、本店は福島県喜多方市にある「坂内食堂」です。
喜多方市では坂内食堂といえば、喜多方ラーメンのお店として最も有名なお店と言っても過言ではありません。
老舗喜多方ラーメン屋さんのひとつで、毎週末には坂内のラーメンを食べに来る観光客で早朝から大行列ができるほど。
地元の人は休日に並ばずには食べられないので、平日に訪れることが多いそうです。
チェーン店坂内を運営するのは東京の会社?
先ほども述べたように、喜多方市にある「坂内食堂」が全国のチェーン店を経営しているのではなく、坂内食堂とは全く別の株式会社麺食が運営しています。
この点でも幸楽苑とは違いますね。
では、なぜ東京の会社が坂内をチェーン展開させたのでしょう。
株式会社麺食の代表取締役会長中原明氏が喜多方にある坂内食堂を訪れたことがきっかけとなります。
中原氏は、国鉄(現JR)の関連会社で取締役として働いていた時に、当時の社長に「新橋でラーメン屋をやらないか」と持ちかけられたそうです。
本来はお蕎麦やさんを経営したかった中原氏でしたが、社長の言葉に同意しラーメン屋を開業することに。その足で、全国の美味しいラーメン屋を探し「喜多方のラーメンが美味しい」と聞きつけ、喜多方を訪れたとのことです。
そこで出会ったのが老舗喜多方ラーメンのお店「坂内食堂」でした。
「見習いとして学びたい」と坂内食堂創業者の坂内新吾氏に何度もお願いし、のれん分けをしてもらったことで、その味を東京に持ち帰ってきたようです。
その後1987年に喜多方ラーメン坂内の前身となるお店「くら」を内幸町のガード下に開業。4年後には「喜多方ラーメン坂内」の1号店を長野県東御市にオープンしました。
現在は日本だけでなく海外へも店舗を展開しています。
イチオシメニュー
- 喜多方ラーメン 680円
- 焼豚ラーメン 970円
- ネギ焼豚ラーメン 1070円
▼喜多方ラーメン坂内
公式HP:https://ban-nai.com/
県内店舗:本店「坂内食堂」があるが、「喜多方ラーメン坂内」はない
県外店舗:64店舗(岩手1、茨城4、栃木1、千葉4、埼玉3、東京36、神奈川4、新潟1、長野2、静岡1、愛知1、大阪1、京都1、三重3、高知1)
(2019年9月現在)
シーフードレストランメヒコ
その名の通り、メヒコはシーフードが主力のレストランで、ベイエリアを中心に展開しているチェーン店です。
そのため福島県でも会津地方にお住まいの方には馴染みがあまりないかもしれませんね。
メヒコは1970年創業以来の「カニピラフ」が有名で、メヒコの看板メニューとなっています。
皿の中央には殻付きの大きなズワイガニが乗っており、とても贅沢な一皿!
注文の際にむき身にして貰うことも可能です。
またシーフードレストランなので、刺身の他にも海鮮系のメニューが豊富です。それだけではなくお肉や和食のメニューも充実しています。
え?本物のフラミンゴを見ながらカニピラフを食べる?
飲食店なのにフラミンゴ?なぜ?と驚かれると思いますが、メヒコには本当にフラミンゴがいるんです!
それはメヒコフラミンゴ館でのみ見ることができます。
フラミンゴ館は6店舗で、以下の店舗があります。
- いわきフラミンゴ館(福島県いわき市)
- 郡山フラミンゴ館(福島県郡山市)
- つくばフラミンゴ館(茨城県つくば市)
- 水戸フラミンゴ館(茨城県ひたちなか市)
- 守谷フラミンゴ館(茨城県守谷市)
- 山形フラミンゴ館(山形県山形市)
メヒコフラミンゴ館に入ると、中央部分のガラスの向こう側でフラミンゴが飼育されており、フラミンゴを眺めながらお食事ができます。想像するとちょっぴりシュールですよね。
そもそもどうしてレストラン内でフラミンゴを飼育したのかというと、創業者がメヒコを立ち上げる前、メキシコ滞在中に数千羽のフラミンゴをみて感動したことがきっかけとなっています。
フラミンゴを見ながら、
「このような非日常的な光景を眺めながら、くつろげる空間を提供したい!」
と思い、フラミンゴのいるレストランをオープンさせたとのことでした。
フラミンゴ館の他にも色とりどりの熱帯魚を見ながらお食事のできる「メヒコ水族館」や、オーシャンビューを望める店舗もあります。
全店舗で生き物が飼育されている訳ではないのですが、かつては猿を飼育していた「モンキー館」も存在していました。
猿を見ながらカニピラフ…ますますシュールですよね。
イチオシメニュー
- 伝説のカニピラフ S1480円/M1680円/L1980円
- 魅惑のカニグラタン 1580円
- タラバガニのお刺身 2480円
▼シーフードレストランメヒコ
公式HP:http://www.mehico.com/
県内店舗:福島5(1店舗は休業中)
県外店舗:山形1、茨城県5、東京4
(2019年9月現在)
さいごに
みなさんの知っているローカルチェーン店はありましたか。
調べてみると思っている以上に福島から全国展開されているチェーン店がたくさんあることが判明し、各地で愛されているお店があると知ることができました。
喜多方ラーメンなど、ご当地の味を日本各地で食べることができるのは嬉しいですよね。
飲食店の他にもスーパーやスポーツショップ、お土産屋さんなど、福島が発祥で今もなお福島に根付くローカルチェーン店が数多くあります。
福島に住んでいると当たり前のように利用するお店ですが、県外に出た時にいつも見かけるお店が見当たらないとちょっと不安になることも。
福島に住む人たちの暮らしを、当然かのように支え続けているローカルチェーン店。皆さんも地元ならではのお店を、ぜひ探してみてくださいね。