福島県の水族館は2箇所のみ!どちらも五感で楽しめる最高の水族館!
目次
はじめに
東北地方の最南に位置する福島県には2つの水族館があります。どちらも公益財団法人ふくしま海洋科学館が運営をしており、「アクアマリン」の名がついています。
県内にはアクアマリンふくしまのみだと思っていませんでしたか。実はアクアマリンふくしまの他にももうひとつ、可愛らしい水族館があるんです!
どちらも五感でフルに味わうことのできる、素晴らしい水族館!それぞれの水族館の歴史と見どころをご紹介します。
アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)
福島県いわき市小名浜港にある「アクアマリンふくしま」は県内最大にして、東北地方最大級の水族館です。正式名称は「ふくしま海洋科学館」。
水族館として観光施設として運営させる傍ら、「海洋科学館」や「環境水族館」の名目で教育施設の側面を持っています。さらに水生生物の環境事業を行っており、施設内に水生生物保全センターを設置しています。
日本が世界に誇る水族館、アクアマリンふくしま
アクアマリンふくしまといえば、シーラカンスの調査・研究で世界的に有名なのをご存知ですか。
2006年にアクアマリンふくしまの調査隊が、スラウエシ島ブオルにおいて、世界で2例目となる生きたシーラカンスの姿をROV(自走式水中カメラ)で撮影することに成功しています。その後は、タンザニア・タンガでも撮影に成功。
2009年には世界で初めて(!)シーラカンスの稚魚の撮影にも成功しています。
アクアマリンふくしま内では、その映像が公開されているとともに、現在生息が確認されているアフリカシーラカンスとインドネシアシーラカンスの2種を同時に展示しています。
この展示は世界初の試みで、2種を同時に見ることができるのは、世界でアクアマリンふくしまのみです!必見ですね。
さらに2009年、長年挑戦してきたバショウカジキの若魚2尾を75日間の飼育展示に成功。これも世界初だったのです!
愛称「アクアマリンふくしま」に込められた思い
「ふくしま海洋科学館」は、愛称として「アクアマリンふくしま」と呼ばれています。
1998年に全国公募を行い、応募された総数4,722点の作品の中から愛称が選考されました。
「アクアマリン」というのは造語で、ふくしま海洋科学館が「水族館(Aquarium アクアリウム)と海洋博物館・科学館(Marine Museum マリンミュージアム)の機能を併せ持った施設である」ということから、それぞれの英文字を組み合わせ、造られたものです。
同時に、アクアマリンふくしまの存在が、福島の小名浜港に出入りする船の安全を守るシンボルになることを期待する意味も込められています。航海の無事を祈るお守りとして、古くから知られている宝石の名が「アクアマリン」であることに由来しています。
東日本大震災で甚大な被害が出てからもなおシンボルとして、小名浜港に凛と佇んでいます。全面ガラス屋根のドーム構造のため、太陽の光によって宝石のアクアマリンのようにきらきら輝き、自らその名に込められた意味を体現しているかのようです。
もしかすると福島県内に住んでいても、「アクアマリンふくしま」が愛称だということを知らずに正式名称であると疑わないのでは?と思うほどに、この愛称は県内外の人々に親しまれ、広く浸透しています。
アクアマリンふくしまの見どころは?
アクアマリンふくしまには常時、800種類8万点!もの生き物が展示されています。スケールが大きい!
その中での展示物のメインは、「潮目の海」の大水槽です。通路は三角形になっており、まるで海の中にいるかのよう。
福島県沖が親潮と黒潮の潮目となっていることから、「潮目の海」がテーマであり、この大水槽で親潮と黒潮が出会う福島沖の海を表現しています。
世界最大級というタッチプール「蛇の目ビーチ」では、本物の海さながら、ヒトデなどを観察したり、潮干狩りなどが楽しめたりします。タッチプールと言いつつその広さはなんと4500㎡!小さなお子さんにとっては海と言っても信じてしまうような大きさです。アクアマリンふくしまのスケール感には毎度のことですが驚かされますよね。
「子ども体験館 アクアマリンえっぐ」内では、魚釣り体験もでき、その場で食べることができます。楽しみながらそれが自然と食育に繋がる。これもまたアクアマリンふくしまの素晴らしいところです。
水族館というと見ることがメインですよね。しかしアクアマリンふくしまでは見るだけでなく、実際に魚に触る、食べる。家族連れでも最後まで飽きることのない、五感をフルで使って海を楽しむ水族館なのです。
▼アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)
HP:https://www.aquamarine.or.jp/
住 所:〒971-8101 福島県いわき市小名浜字辰巳町50
電話番号:0246-73-2525
開館時間:通常期 (3月21日~11月30日)は、9:00~17:30(入館締切16:30)冬季 (12月1日~3月20日)は、9:00~17:00(入館締切16:00)
アクセス:車でお越しの場合、常磐自動車道 いわき湯本I.Cから約20分。もしくは福島空港から国道49号線で約1時間40分。電車でお越しの場合、JR常磐線 泉駅(特急停車駅)から路線バス(小名浜・江名方面)で最寄りのバス停「イオンモールいわき小名浜」まで約15分。下車後徒歩約5分。
入場料 | 一般 | 団体 <20名以上> | 年間パスポート |
大 人 | 1,800円 | 1,500円 | 4,200円 |
小〜高校生 | 900円 | 750円 | 2,100円 |
未 就 学 児 | 無料 |
アクアマリンいなわしろカワセミ水族館
福島県を代表する山といえば磐梯山、そして湖といえば猪苗代湖ですよね。その両方に囲まれた大自然の中、猪苗代町にひょっこりこっそり運営されているのが、「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」です。
猪苗代町は、偉人・野口英世の出身地としても有名。日本紙幣の顔として選出されてからは、ますます観光客が伸び、野口英世記念館が賑わいを見せる時期もありました。
カワセミ水族館は、アクアマリンふくしまに比べて大掛かりな演出やスケール感こそないものの、猪苗代という大自然を活かした地域一体型の水族館です。そのため子どもは無邪気にはしゃぐことができ、大人は童心にかえることのできる水族館として貴重な存在なんです。
コンセプトは「猪苗代湖の生態系モデルをつくる」
「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」はもともと「いなわしろ淡水魚館」として1989年、平成のスタートとともに「猪苗代緑の村」の中に開館しました。
その後猪苗代町は、アクアマリンふくしまを運営する公益財団法人ふくしま海洋科学館に運営を託します。
そして、いなわしろ淡水魚館は、アクアマリンふくしまの姉妹館として、2015年4月25日に「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」と名称を変え、リニューアルオープンしました。
「猪苗代淡水水族館をよみがえらせる」という使命を受け、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館を請け負ったと公益財団法人ふくしま海洋科学館の理事長である安部義孝氏は語っています。
そのコンセプトは「猪苗代湖の生態系モデルをつくる」。
アクアマリンふくしまが得意とする、自然界をそのまま切り取ったような展示をアクアマリンいなわしろカワセミ水族館でも展開。
淡水魚を専門とし、猪苗代湖の生態が住む環境をじっくり見ることができます。
猪苗代は元来より猪苗代湖や磐梯山などの周辺の豊かな自然環境や、先程も述べた野口英世生誕の地として観光資源にも恵まれていることから、このカワセミ水族館には、地域活性化の期待も込められているようです。
アクアマリンいなわしろカワセミ水族館の見どころは?
約20cmの立方体水槽がズラーっと並ぶ「おもしろ箱水族館」がおすすめです!
こちらには、福島県内に生息するゲンゴロウをはじめとする水生昆虫を中心に、アマガエルやカジカガエル、バンダイサンショウウオなどの両生類を100種類ほど!しかもマニアックにも1種類ずつ!!展示しています。
立方体水槽が何十個も並ぶ光景は圧巻です。ついつい腰を屈めて覗き込んでしまいます。
生物好きな方であればこのコーナーで足が止まり時間を忘れてしまいそうですね、お子さんの夏休みの自由研究をするのにももってこいの展示です。
同コーナーには液浸標本の展示もあり、福島県内で確認されている冬虫夏草約130種のうち48種類をみることができます。
また、サケ・マス類のショーウィンドウ展示や、CITES(ワシントン条約)Ⅰ類に指定されている希少種ユーラシアカワウソの展示もおすすめポイント。
カワセミ水族館のある猪苗代町にも今から60年前、1960年頃までは二ホンカワウソが確認されていました。
しかし、2012年にニホンカワウソは絶滅宣言がされたため、現在は二ホンカワウソに遺伝的に近く、外見的にも良く似たユーラシアカワウソを展示しています。
ユーラシアカワウソのお食事タイムも10時と15時に設定されているので、お時間を合わせて来館すると良さそうですね。
体験コーナーは釣り堀や川がきの池、新設の木育コーナーも
アクアマリンいなわしろカワセミ水族館でもアクアマリンふくしま同様、実際に魚を釣ってその場で食べることができます!
釣り体験コーナーは積雪のない(冬季は積雪が1mを超える豪雪地区です!)、4月下旬〜11月初旬頃までの期間限定なので、来館の際には事前にお問い合わせしてみてくださいね。
猪苗代の大自然の中で釣りの体験ができるのも、カワセミ水族館の醍醐味ですね。
川がきの池では、釣りではなく直接手で河川にいるドジョウやウグイを触って観察することができます。子どもたちに大人気のコーナーです。
川がきというのは、今こそ見なくなってきましたが、水辺で遊ぶ子どもたちのことを指します。日々の遊びの中で水と触れ合う、そしてそこに生息する水生生物を知る。当たり前だった光景が今の日本ではあまり見られなくなりました。
カワセミ水族館では、そのような意味も込めて、この体験コーナーが設けられています。
2018年には子どもたちが木に触れて遊べる木育コーナーとして「森のこばこ」が開設されました。
こちらは五感を使いながら、木のぬくもりを感じることのできるスペースになっています。自然や生き物に興味を持ってもらいたいという、カワセミ水族館の願いも込められています。
▼アクアマリンいなわしろカワセミ水族館
HP:https://www.aquamarine.or.jp/kawasemi/
住 所:〒969-3283 福島県耶麻郡猪苗代町大字長田字東中丸3447-4
電話番号:0242-72-1135
開館時間:通常期 (3月21日~11月30日)は、9:30~17:00(入館締切16:30)冬季 (12月1日~3月20日)は、9:30~16:00(入館締切15:30)
アクセス:車でお越しの場合、磐越自動車道 猪苗代磐梯高原I.C.から約10分。電車でお越しの場合、JR磐越西線 猪苗代駅下車後、タクシーで約10分。
入場料 | 一般 | 団体 <20名以上> | 年間パスポート |
大 人 | 700円 | 560円 | 1,700円 |
小〜高校生 | 300円 | 240円 | 700円 |
未 就 学 児 | 無料 |
さいごに
東北最大級の「アクアマリンふくしま」、猪苗代の自然に溶け込む「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」。対照的な水族館をご紹介しました。
どちらも五感をフルで活用し、見るだけではなく、手を使って体験し、味わえる水族館です。
お子さま連れのファミリーはもちろん、大人も十分に楽しむことができます。秋の行楽シーズンにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。