秋色に染まる福島の観光スポット10選!
目次
はじめに
日本国内で面積の広さが第3位である福島県は、四季の移ろいを感じさせてくれる観光スポットが各所に点在しています。特に秋と言えば赤や黄、橙色といった色とりどりの紅葉が見頃の季節です。日本の四季折々の風景を楽しめる福島県は「うつくしま」とも呼ばれるほどで、自然の景観を楽しむための観光にはうってつけの場所です。
この記事ではそんな福島県の秋色に染まる魅力的な観光スポットを紹介します。夏の酷暑で心身ともに疲れが溜まった後には、秋の穏やかな気候の中でゆっくりと大自然の中を散策して癒されてみてはいかがでしょうか。
この記事では秋の紅葉が見頃な福島県の観光スポットを10箇所に絞り、以下で順に紹介していきます。福島県内の有名どころはもちろん、穴場的な観光スポットまで併せて紹介しています。福島旅行の前にまずは、秋の色鮮やかな風景を見られる観光スポットについてこの記事で予習しておきましょう。
磐梯吾妻スカイライン(ばんだいあづますかいらいん)
福島県を通る「磐梯吾妻スカイライン」は無料になって以降、多くの観光客で賑わう観光スポットになりました。真冬だけは通行止めになりますが、それ以外の時期には季節ごとの楽しみ方があり、通年で楽しめる場所でもあります。
スカイラインの頂上付近は硫黄が噴出する見通しの良い土地になっていますが、山の中腹から麓にかけては鮮やかな紅葉の魅力が凝縮されています。「天狗の庭」や「つばくろ谷」など紅葉が楽しめるビューポイントが多数あるため、全長29キロあるスカイラインも最初から最後までじっくりと紅葉狩りを満喫できます。
またスカイラインの付近には高湯温泉や土湯温泉もあるため、温泉宿に一泊しての紅葉狩りを楽しむのもまた乙なものです。
背戸峨廊(せとがろう)
いわき市の秋の観光スポットと言えば、「夏井川渓谷」が有名です。ただ夏井川の支流である江田川の「背戸峨廊」も紅葉が美しい観光スポットです。詩人である草野新平によって命名された背戸峨廊は、「ふくしま緑の百選」にも選ばれるほどの渓谷美が見られます。
背戸峨廊では遊歩道と川との距離が近いため、間近に迫る紅葉が色鮮やかな自然風景が楽しめます。遊歩道を歩いていくと滝や淵などが多数点在し、紅葉が綺麗な風景を撮影する観光客の方も連日のように訪れます。秋にいわき市を訪れる際には夏井川渓谷と一緒に、背戸峨廊まで回るコースがおすすめです。
五色沼湖沼群
2016年にミシュラン・グリーンガイド一つ星にも認定されている「五色沼湖沼群」は、毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼など、実に数多くの湖沼が五色沼に含まれます。沼によってエメラルドグリーンやパステルブルーなどと色が違い、その神秘的な美しさから「神秘の湖沼」と言われています。
また青沼は初夏から秋にかけて、風で飛ばされた葉が白く脱色される現象が見られることでも知られているほどの強い強酸性です。ただ五色沼の中でも最も広い毘沙門沼は、手漕ぎボートで湖面上からの風景で紅葉も楽しめます。自然が作り上げた幻想的な風景の中に漕ぎ出せば、日常を束の間忘れて自然と心が洗われます。
達沢不動滝(たつさわふどうたき)
福島県の秋の観光スポットとしてはそれほど有名ではありませんが、耶麻郡猪苗代町にある「立澤不動滝」に足を運ぶと神秘的な美しさに目を奪われるはずです。実は映画の撮影にも使われたことがある場所で、かなり奥まったところにあるため普通に観光に来ただけではまず気づけません。ただその光景を一度目にしたなら来年にもまた足を運びたくなるかもしれません。
約10メートルの高さから岩肌伝いに滑り落ちる清流は絹糸のようにも見え、滝が砕け川の流れに合流する音が耳にも涼しげです。光が紅葉の間から差し込むと照り輝くような美しさの光景が現れ、しばし時の流れを忘れてしまうほどです。また紅葉が清流に浮かぶ様も実に絵になります。
立澤不動滝には実は「男滝」と「女滝」の2種類がありますが、駐車場からほど近い位置にある男滝を見て満足する方が非常に多いのがもったいない部分でもあります。女滝は川を渡った先にあるため少し遠く感じられますが、一見の価値はあるかと思います。
雪割橋
福島県にある阿武隈川の上流部に位置する「雪割橋」は、名前だけ聞くと冬の観光スポットかと勘違いしそうになりますが、実は秋の観光スポットとして有名な場所です。長さ約80メートル、川面からの高さは約50メートルあり、雪割橋をスタート地点とする遊歩道は2時間程度もあれば散策することができます。
まずは橋の上を渡り橋がかかっている渓谷を覗き込んでみましょう。V字型に深い渓谷の高さについ足がすくんでしまいそうになるものの、渓谷を彩る紅葉が鮮やかに混じり合う風景はまさに絶景です。雪割橋からの風景を一通り楽しんだ後は遊歩道に行き、下りの階段を過ぎて河原に降りるのもおすすめです。綺麗な川の流れに紅葉が舞い散る優雅な様に、疲れた心身が癒されること間違いなしです。
観音沼森林公園
南会津下郷町にある「観音沼森林公園」は、特に紅葉が楽しめる秋に訪れるのがおすすめです。福島県内で最も長い甲子トンネルを抜けた先にある同公園は、以前は未開通の箇所も多かったために秘境の地にある沼とまで呼ばれていました。
しかし近年では那須方面や白河方面からのルートが整備され、車でも比較的アクセス良好なエリアとなりました。高低差があまりない遊歩道は1時間もあれば一周できる程度の長さで、子供連れでも安全に散策できるような配慮がそこここに見られます。また紅葉狩りを存分に楽しめる9つのコースも用意されており、各コースのそれぞれに名前があります。
観音沼森林公園は何と言っても、水鏡に写り込む紅葉が美しいです。風が吹き水面にさざ波が立つとその水面で紅葉がひらひらと踊り、時間の流れも緩やかになる風景の中で、野鳥がさえずり優雅に水面を滑っていきます。そのためバードウォッチングを楽しみに訪れる方も多く、沼を見る場所や角度によっても切り取って見られる風景の趣が変わるため、いつまで見続けても飽きない美しさがそこにはあります。
新宮熊野神社(しんぐうくまのじんじゃ)
喜多方市にある新宮熊野神社には「長床の大銀杏」と呼ばれる、樹齢800年の立派なご神木が立っています。国の重要文化財である「新宮熊野神社の長床」の正面に位置する大銀杏は、秋になると一面に黄金色の絨毯を辺り一面に敷き詰めてくれます。
重要文化財の長床には靴を脱いで上がることも可能なため、長床から見る大銀杏はまた違った趣が感じられます。また大銀杏が見頃になると夜はライトアップされますが、暗闇に浮かび上がる銀杏の大木には荘厳ささえ感じられ美しさがよく際立ちます。
静寂とした雰囲気の神社で大銀杏が葉を散らす様に、毎年のように多くの観光客が集まる人気ぶりです。大銀杏のライトアップは紅葉が見頃になる11月中旬から始まるので、ご神木の大樹が金色の葉を揺らす姿は昼と夜でまた別の魅力が感じられるので、時間をずらして二回足を運んでみるのもおすすめです。
あだたら渓谷
二本松市にある「あだたら渓谷」は、古くから登山客や地元民の方に親しまれています。約1キロの遊歩道があり、遊歩道を歩く途中でも川の清流と紅葉の鮮やかなコントラストが楽しめます。
特に「紅葉滝」と呼ばれるビューポイントでは、緩やかに傾斜のついた清流に紅葉が浮かびくるくると舞い踊る様が見られます。清流と紅葉の組み合わせは実に絵になるため、あだたら渓谷に足を運べばたくさんの美しい風景写真が撮れるはずです。
屏風岩(びょうぶいわ)
南会津郡檜枝岐村の「尾瀬」は日本最大級の高層湿原として、約800種類もの珍しい植物が見られる観光スポットとして有名です。そんな尾瀬に向かう途中にあるのが、秋の穴場スポットとして密かに人気を集める「屏風岩」です。この屏風岩とは伊奈川沿いに切り立った断崖のことを指しますが、川沿いに左右に長く続く様がまるで屏風を開いたように見えることから名付けられました。
この屏風岩周辺には遊歩道があるため、屏風岩を頭上に見上げながら岩を覆い尽くさんばかりの紅葉が彩る自然の原風景を楽しむことができます。川の流れによって長い時間をかけて削り取られた岩の造形美と紅葉のコラボレーションがとても情緒的な、南会津の奥地ならではの絶景が視界いっぱいに広がる様は圧巻の一言に尽きます。
また屏風岩の絶景を楽しんだ後には、さらに車を移動させて尾瀬まで足を運ぶプランもいいでしょう。屏風岩では頭上に紅葉のある風景が広がっていましたが、尾瀬では黄金色に染まった草原の間をかき分けて進みながら秋の彩りに包まれる穏やかな時間を過ごせます。屏風岩とはまた一味違った秋の風景が楽しめるので、こちらもおすすめです。
フルーツライン
福島県と言えば良質な果物の産地としても有名で、紅葉狩りを満喫するのであれば果物狩りも一緒に楽しみたいものです。普段は値段を気にしてあまり量が食べられないフルーツも、果物狩りに参加すれば思う存分食べられるのが最大の醍醐味です。
福島県内で果物狩りをしようと思えば、やっぱり外せないのが福島市にある「フルーツライン」です。福島市の西側にある吾妻連峰の麓を車で走る道路が地元民の方から「フルーツライン」と呼ばれていて、このフルーツライン沿いには観光果樹園が並んでいます。また高速道路からのアクセスも可能なので車での観光にももってこいです。
9月上旬から12月下旬までであれば、なしやぶどう、りんごなどの果物狩りが楽しめます。秋という季節ならではのフルーツはお土産にも最適なため、家族の思い出作りにフルーツラインを訪れる方も毎年多いようです。
まとめ
福島県内には上記以外にも魅力的な観光スポットがあり、秋の観光旅行には特におすすめです。また福島県は風景だけでなく美味しいご当地グルメもたくさんあるため、風景の秋だけでなく食欲の秋も楽しむことができます。 酷暑に晒されながら心身ともに疲れ果ててしまったという方には、心身の休息を求めてうつくしまでの紅葉狩りを楽しんでもらいたいものです。