福島の食文化に馴染み過ぎている納豆文化と納豆レシピをご紹介
目次
福島県の納豆レシピをご存知でしょうか?
納豆の消費が日本一として知られる福島県。
そこには独自のレシピとして食文化になり親しまれています。
今回の記事では福島県の納豆に関しておすすめレシピと共にご紹介していきます。
なぜ福島県は納豆の消費量が日本一なのか。
総務省統計局が2015年~2017年の3年間で行った家計調査(2人以上の世帯)によると、福島市が納豆平均支出額で全国1位という結果が出ました。
納豆の街として有名な茨城県水戸市を抜いて消費量、支出額が一番多いのはなぜ福島県なのでしょうか?
諸説ありますが、業界団体である全国納豆協同組合連合会の方によると、「福島県では昔から山間部では越冬のためにタンパク源を摂取します。納豆はその1つです。」とのこと。
福島県の海を有する浜通り地方は漁による魚介類からたんぱく質を摂取できます。
それ以外の中通り地方、会津地方は山々に囲まれた地域なので良質なたんぱく質が手に入りませんでした。
この事から比較的保存ができるという観点からも納豆が好まれてきたようです。
また、赤ちゃんの離乳食にもひきわり納豆が使われていたり、朝の忙しい時にすばやく食べられるようにと冷蔵庫から納豆を手に取ったり、『簡単で早い』メリットも影響しているのではないでしょうか。
とはいえ、福島県がなぜ納豆を好むのか、その明確な経緯はわかっていません。
消費量が多い理由で一番有力な説は、福島県は納豆を「料理の主役」として扱っている点も日本一の消費量に繋がっていると考えられています。
納豆の産地、水戸ではシンプルにご飯に納豆を乗せて食べるのが一般的。
反対に福島県ではアレンジを加え、おかずの1品としての役割を持つ。
水戸では脇役、福島では主役。
こうした違いが結果的に消費量、支出額1位に結びついたとも考えられます。
他にも学校の給食で納豆が出される頻度が高いのも理由になっているようです。
福島の学校の給食では多い所で2週に1回のペースで給食に納豆が並ぶ。
対する2位の水戸は3カ月に1回のペース。
圧倒的に納豆を口にする頻度に差があるので、福島県の納豆王国になっている要因ともされています。
参考記事:https://j-town.net/tokyo/gourmet/tanbouki/261618.html?p=all
参考記事:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/230892
参考記事:https://toyokeizai.net/articles/-/73132?page=2
福島の納豆レシピ
上記でご紹介したように、福島県では納豆をおかずとしてアレンジされることが多いです。
そのため、納豆レシピもバリエーション豊富。
ここでは福島県で親しまれている納豆レシピをピックアップしてみます。
油揚げ包み焼き
油揚げの中に納豆を詰め、フライパンで焼き、醤油を垂らす。
まさに『タンパク質だらけ』の納豆レシピです。
福島県ではこのおかずが人気。
ごはんのおかずだけではなく、お酒のおつまみにも最適で幅広い年代に愛されています。
レシピ:https://cookpad.com/recipe/4532725
納豆トースト
納豆はごはんだけではなく食パンにも合います。
チーズをかけたり、七味唐辛子をかけたりとアレンジは無限大。
納豆の粘りが意外と癖になるおやつにもなるレシピです。
納豆餅
納豆餅は東北地方で食される人気の一品。
餅に納豆を絡めるシンプルなものですが、どちらも”伸びる”不思議な食感を楽しめます。
餅を細かいサイズにしてさらに食べやすくするレシピもあります。
レシピ:https://matome.naver.jp/odai/2154921116738809701
納豆をお菓子に
納豆とタレをまぜフライパンで焼いたもの。
表面はカリッとして納豆とは思えない食感と手軽さがおやつにぴったりです。
レシピ:
納豆いか人参
いか人参とは福島のお正月に食される伝統的な郷土料理です。
するめと人参を醤油に漬け込みます。
この伝統食に納豆を加える、まさに福島県でしか味わえない一品もあります。
レシピ:https://cookpad.com/recipe/4877782
納豆餃子
中に詰めるものにはとりあえず納豆を入れる福島県民。
当然、餃子の中にも入れてしまいます。
皮はカリカリ、中はフワッと納豆の旨みを感じられる揚げ餃子は絶品です。
レシピ:https://cookpad.com/recipe/4005159
特殊な納豆アレンジ
福島県内の情報をまとめた情報誌「aruku(アルク)」のWEB版には斬新な納豆アレンジが紹介されていました。
- 納豆ガパオパンケーキ
- 納豆とタコのレモンパスタ
- 納豆そぼろレタス巻き
- ねばねばスタミナから揚げ
- 和風ソースのスペイン風納豆オムレツ
福島県民でも斬新に感じる納豆レシピですが、このように絶え間なく納豆アレンジが生まれてくるのはさすが消費量日本一の県、と言えます。
参考記事:https://www.arukunet.jp/59671/
特殊な納豆アレンジ
もちろんスタンダードなご飯+納豆も食されます。
しかし、ただ納豆を乗せるのではなく、納豆と”何か”を加えるケースが多いのが福島県。
漬物、卵、こんぶ、わさび、ニンニク、魚、大根おろし、ふりかけ、唐辛子など、何かしらを納豆に混ぜ、ご飯に乗せるので、もはや好みの領域。
人の数だけアレンジがあるのが福島県の納豆文化です。
納豆は夜食べたほうが効果大
納豆は朝のイメージがありますが、実は夜に食べた方が健康面から判断すると効果が高い食品です。
その理由は、納豆に含まれる”ナットウキナーゼ”という酵素の力。
眠っている間、血液をサラサラにして血管の詰まりを溶かし、さらに睡眠後2~3時間後に分泌される成長ホルモンを促す成分も含まれているようです。
美肌のためにも夜納豆は近年注目されている食べ方です。
まさにお酒のおつまみとして食べる福島県の納豆レシピは、夜納豆に一役買っているとも言えるのではないでしょうか。
福島県内の納豆業者と種類
福島県の納豆消費を支える県内の業者と種類です。
- 赤井食品
- 我妻
- 白河の関
- だるま納豆
- 我妻商店
- 小粒 あづま納豆
- 秘伝 あづま納豆
- いわき学園
- 伊藤食品
- 金山納豆
- 金山納豆 大粒
- 内田屋(野沢納豆製造所)
- 小鈴納豆
- 扇田食品
- 塩で食べる納豆
- 大江ファーム
- 奥田食品
- 元祖白糸本舗
- 会津の納豆屋さん
- 味めぐり
- 大地の恵み
- 高田納豆
- 高田納豆ミニ5
- 笑う納豆
- カミノ製作所
- 女神の納豆
- 一豆賞
- 久米商店
- 国際米流通センター
- 納豆革命
- 小島
- こだわりや本舗
- 贅沢納豆
- JAそうま
- 上州屋食品
- 上州納豆特選小粒
- 関根商店
- 大豆納豆
- 黒豆納豆
- 玉梨とうふ茶屋
- 黒神納豆
- 長命食品工場
- ナコソフーズ
- 味付ひきわり納豆
- 経木納豆
- 勿来黒豆
- なこそ納豆
- 新田商店(会津高田納豆)
- ふくしま大豆の会
- 樋口食品(国見納豆)
- にしき納豆
- 増田屋商店(川俣納豆)
- ふくしま県産大豆川俣納豆
- ミドリヤ
- みのり納豆
- 木鶏
- 本宮納豆製造所
- 吉田食品(石川納豆)
- 渡辺納豆製造所
福島県も納豆推進を行っている
福島県の納豆好きを支えるのは福島県の制度にも見受けられます。
「福島県産大豆使用ロゴマーク」は、県産大豆を100%使用した大豆食品を、消費者の方に分かりやすく選んでいただけるように、そしてその品質をアピールすることを目的に平成14年に作られました。
このマークは地元で作られている大豆製品は、どこで、どのようにつくられているのかが分かるという安心を保障したもの。
県内では、福島県産大豆を100%使用した大豆食品の取り組みが積極的に行われており、各地域の大豆加工業者が県産大豆の良さを生かした豆腐や味噌、納豆などを作っています。
このマークを目印にすることでより確かな大豆食品を選ぶことが可能となり、消費拡大につながっています。
参考記事:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36035b/daizu-logo.html
福島の納豆好きは「普通」と思うほど溶け込んでいる
今回は福島県民の納豆に関してご紹介しました。
福島県の納豆消費・支出額1位に驚くのは福島県民自身です。
「確かによく食べるけど、これで日本一なら他の県の人は全然食べないんだね」という感想がおよそ多くの人に浮かぶはずです。
それだけ福島県民の食に溶け込みすぎて、量を食べている感覚すら失われている状態とも言い換えられます。
豊富なレシピはどれも納豆という概念を越えた絶品です。
今はインターネット上にも数多くのレシピが乗っているので、ぜひ納豆の汎用性の高さを実感してみてはいかがでしょうか。