時代を超えて人々を魅了し続ける三春の滝桜
目次
これほどまでに「花より団子」という言葉が似合わない花見があるでしょうか。
息を飲むスケールの桜で力強い生命力を感じることができる桜が福島県三春町にあります。
日本三大桜の一つとして全国に知られ、大勢の人の虜にした三春滝桜。
近年は手軽に写真が撮れる環境も重なって、益々訪れる人が増加しており、この桜の姿を見た感動を共有したくなること間違いありません。
三春の滝桜は福島を代表する神聖な観光スポットです。
三春の滝桜とは?
所在地:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保
電話番号:0247-62-3690(三春町役場産業課)
観桜料:300円(中学生以下無料)
アクセス:三春駅から臨時バス滝桜号で約20分
駐車場:滝桜大駐車場 ※船引三春ICから渋滞無しで約10分
※2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください
樹齢推定1000年超のベニシダレザクラ(紅枝垂桜)の巨木で国の天然記念物にも指定されている三春の滝桜です。
この樹木は小高い丘の中腹にあり、樹高は12mですが幹廻りが11m近くあり、枝が東西に25m、南北に18.5mも拡がっています。
満開になった時の小さな花が枝の先まで咲きそろった様子は、「桜色の滝」という表現がぴったりです。
日本三大桜(日本五大桜)の1つとして知られる三春の滝桜は、満開の時期はライトアップもされ、圧倒的な存在感で訪れる人を驚かせます。
春になると滝桜の周辺には子や孫にあたる枝垂れ桜も咲き誇ります。
※日本三大桜:岐阜県の「根尾谷淡墨桜」、山梨県の「山高神代桜」、福島県の「三春滝桜」
福島県内だけではなく全国的にも滝桜は有名で、春になると日本の桜の名所としても数々のメディアで紹介されているので一度は目にした事があるのではないでしょうか。
現在も滝桜の成長は続いており、自重に絶えきれなくなっている枝を支える数本の柱も特徴的です。
力強さだけではなく、繊細さ、生命の神秘さ、歴史の奥深さなど、多くの感情が生まれる。
この圧巻の迫力を肌で感じる事ができる滝桜は、まさに福島が誇る観光の名所です。
参考記事:https://www.travel.co.jp/guide/article/37328/
昼と夜で表情を変える滝桜
滝桜は見る時間帯によっても大きく表情を変えます。
やはり圧倒的に人気なのは夜桜。
ライトアップされ、白や薄ピンクに光り輝いた滝桜はこの世のものとは思えない美しさを放ちます。
観光客もこのライトアップされた姿を求めて訪れるので周辺は大混雑必至です。
もちろん昼の姿も素晴らしいの一言。
青空と桜の花びらのコントラストは写真家にも人気です。
自然の壮大さと人間の非力さが無言で伝わってくる、とても非日常的な場所と感じられるはずです。
三春町では毎年滝桜のフォトコンテストも実施。
多くの人によって滝桜の姿が撮影されていますが、角度や背景の違いでどの写真も違った魅力で溢れています。
またNHKの桜のフォトコンテストには滝桜以外にも福島県全域の桜の写真を見ることができます。
入選された滝桜の写真は壁紙としてダウンロード可能になっています。
参考記事:https://www.nhk.or.jp/fukushima/sakura/3rd_36_d.html
実際に目で見ても美しい、写真としても美しい。
滝桜が古くから人々を魅了する理由が感じ取れるのではないでしょうか。
滝桜の花見をする際のポイント
年々訪れる人が増加しているので、その年によって規制や観桜料の変動が想定されます。
実際に訪れる際は三春町のHPで最新情報を得ておくのがおすすめです。
三春町HP:http://www.town.miharu.fukushima.jp/
花見の時期は滝桜を目の前にするまで3時間前後要すると計算しておくといいでしょう。
休日の方が混みますが、平日も大混雑が予想されます。
早朝から無料駐車場が満車になる日もあるので混雑や渋滞を回避するなら未明に到着して車中で仮眠するのがおすすめの方法です。
駐車場は夜中は無人ですが24時間開放でいるので車中泊している人もいます。
観桜時間は朝6時からなので早朝から絶景を満喫出来ます。
入口で支払う観桜料は一日有効なので、ライトアップも楽しみたいなら半券は大切に保管しましょう。
滝桜の正面遊歩道に観桜者が一人も居ない瞬間は、6時を過ぎたら殆どありません。
8時頃には混雑して行列が続くようになる事からも完全に混雑を避けるのは不可能に近い場所です。
参考記事:https://www.travel.co.jp/guide/article/16113/
滝桜の歴史
三春の滝桜は江戸時代には全国に知られる桜となっていました。
「都まで音に聞こえし滝桜 いろ香を誘へ 花の春風」
と詠まれた歌の残っています。
この頃からすでに滝桜は今のように立派な大樹であったことが伺え貴重な資料です。
しかし、不思議な事に三春の滝桜に関する記録は皆無に等しく、樹齢についても定かではありません。
滝桜の中心は空洞となっていた時代があるため、現代の科学技術を使っても年輪から樹齢を推定できないのが現状です。
同じ理由で炭素年代測定も不可能とされています。
三春に伝わる伝承としての樹齢は1000年とも言われており、様々な憶測を呼ぶ不思議な大木です。
また、滝桜の樹が長生きの理由も研究されていますが、こちらも定かではありません。
聞き取り調査によると、戦後すぐの頃は周辺に住む子どもは滝桜の根もとに大きな洞があり、そのなかに入って遊んでいたそうです。
16本の細い根が空洞の中に育ち、それぞれが電柱のような太さになったようで、それらがいつの間にか空間を埋めて、古い形成層とも一体化してしまった。
これが太くたくましい滝桜の生命力の秘密だと考えられています。
参考記事:http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/southerncross/201002/top.htm
参考記事:http://www.town.miharu.fukushima.jp/site/rekishi/sakura01.html
全国に広がる滝桜の子孫
2010年時点で三春町では接ぎ木などの方法も含めて7軒の農家が滝桜の生産を行っています。
三春滝桜の種が寄贈され日本各地に広がり、子孫を繁栄し続けています。
三春町と姉妹都市を締結する岩手県一関市に。
伊達政宗の正室・愛姫の出身地が三春であることから仙台市に。
また、2008年には滝桜の種が若田光一宇宙飛行士と共に宇宙を旅し、成長して「宇宙桜」と呼ばれるようにもなります。
何百年、何千年と経っても未だ子孫を残そうと全国、宇宙まで度をする生命力の強さに心を動かされます。
滝桜周辺の桜スポット『紅枝垂地蔵桜』も見逃せない名所。
三春の滝桜から車で10分~15分ほどの距離にある『紅枝垂地蔵桜(べにしだれじぞうざくら)』。
こちらも滝桜を含めたお花見ルートとして知られており、満開の時期は連日混み合います。
樹齢400年ほどで樹高16メートル、枝張が18メートルあり滝桜の娘とも言われています。
桜の根元には地蔵堂があることから「紅枝垂地蔵桜」と呼ばれています。
妖艶なピンクの花が特徴。
昔から赤ん坊の短命、夭折(ようせつ)の難を逃れるため、この地蔵に願をかけていたといわれています。
住所 福島県郡山市中田町木目沢字岡ノ内
交通アクセス 【電車】郡山駅から柳橋または小野行きバスで、「安積高校御舘分校」下車、徒歩約35分【車】磐越自動車道郡山東ICから約20分
参考記事:https://hanami.walkerplus.com/detail/ar0207e25670/
滝桜のライブカメラ
三春町では、滝桜ライブカメラを設置しています。
10秒おきに8カ所を順番に表示切替しています。
春の季節だけではなく、初夏の新緑煌めく葉を眺めたり、雪化粧を纏った姿も見れたりと、滝桜の日々変わる表情をどこにいても垣間見ることができます。
ライブカメラ:http://www.town.miharu.fukushima.jp/soshiki/7/webcamera.html
※アクセスが多い場合などカメラに接続できないことがあります。
大勢の方に見ていただくために3分で接続が切れるように設定となっています。
三春の名物 三角あげ
滝桜を見に訪れた際にぜひ食したいおすすめの三春名物が「三角あげ(三春三角油揚)」です。
三角という独特の厚みのある油揚げで、少し甘味のある醤油をかけて食べるのが絶品。
原料となる大豆は「畑のお肉」と呼ばれるように栄養に優れていることも知られています。
このことからも三春三角あげは別名「三春ハム」と称されています。
代表的な販売店「TO-FU Cafeおおはたや」では熱々の三角あげと共に自家製の豆乳なども楽しめ、三春を散策した際の休憩所として人気です。
何度見ても心が洗われる滝桜の魅力
日本三大桜の一つ、天然記念物、枝垂れ桜の女王。
そのどれもがふさわしく感じる三春滝桜は、何度見ても感動が色あせることなく訪れる人を魅了します。
巨大な樹から力強さと安心感を感じ、花びらからは可憐で繊細な儚さを連想させる。
自然の芸術とも言い換えることができる三春の滝桜をぜひ満開の時期に訪れてみてはいかがでしょうか。
きっと圧巻の世界に虜になるはずです。